百日紅の花
今ちょうど百日紅の花が咲いた
叔父が亡くなった時にも
百日紅の花が咲いていて
その叔父とはほとんど行き来がなかったため
死んだと聞かされても何の感情も湧かなくて
悲しみとか
怒りとか
安堵とか
慶びとか
私にとって彼はただのいなくなってしまった人
なのだがそれでも毎年この白い花
を見るとアア、そういうこともあった、と思う。
歳を取って死んだら私のことも誰かが
思い出してくれるだろうか。
書:坂本パルコ