遊星
蒼い夜があった
そこで星が生まれて死んだ
水銀灯に照らされ魂がゆれていた
気がつくと私は或る屋敷に植えられた中庭の木になっていた
いつもはテーブルの下にいるms.good yearが爪をといだり無邪気にしたりする蜜柑の木だ
最近実に宿った魂に
アア、やってくるのではなく、いつから日々は過ぎていくものになったのだろう
などとシニカルな会話をするようになった
上手くいかない人生
上手くいくはずのない人生
二人は見上げるこの空の
星座の中にはいない
やがておとずれる安らぎ
(あるいは偽りのやすらぎ)
私は言葉で指を差し出す
もっと深くて遠いところで輝いた
あの星座が見ている星さ
書:坂本パルコ