みたこともないサンドイッチ

みたこともないサンドイッチをつくる
ふらりとやってきた恭子が
この街を挟もうとしている
あのビルも小学校も夏雲も
サンドイッチにしようとしている
連日の猛暑日
扇風機のボタンを
意味も無くもう一度押す

今日が暮れたら今日が消える
さっきまでいた人がふっと居なくなってしまう
あらゆる変わって行くものを
サンドイッチにできたらいいのに

夏だからとても愉快だと笑い
恭子は緑が騒々しい、
みたこともないサンドイッチをつくる

書:武田地球

春秋蜜柑

発行日:2021年5月8日
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