みたこともないサンドイッチ
みたこともないサンドイッチをつくる
ふらりとやってきた恭子が
この街を挟もうとしている
あのビルも小学校も夏雲も
サンドイッチにしようとしている
連日の猛暑日
扇風機のボタンを
意味も無くもう一度押す
今日が暮れたら今日が消える
さっきまでいた人がふっと居なくなってしまう
あらゆる変わって行くものを
サンドイッチにできたらいいのに
夏だからとても愉快だと笑い
恭子は緑が騒々しい、
みたこともないサンドイッチをつくる
書:武田地球