キャッチャー・イン・ザ・ベリー

わたしは

全てを知っていたのだといいます・・・。

夢の中で見る夢さえ
わたしはここに来ることを知っていたといいます。
透明な糸を辿り
ふたりは出逢いのあの時を
何度も繰り返し話していた、と聞きます。
どっちが恋におちた、見つけた、
と言い合っても
前の世ではそれが約束だったのだから、と聞いています。
一緒に次を思い出してみることにしました。

君はあの時ああ言ったじゃないか。

ああも言った。

こうも言った。

一体あれはなんだったんだ!

すべて狂言だったのか。

ええ、そうです。

だからどうした。

見上げれば夜には星がみえるかもしれない。

みえないかもしれない。

それでもわたしはあなたを愛しているの。

勝手な話に付き合わせましたね。
あの流木に座ることも約束だったのかな。

ここを

こうして

日々は

過ぎていく

あした晴れたら

何処へいこう?

明日はれたら

うみへ行こう

まだ見たことのない

うみへ行こう

そして
わたし達は
大層センチメンタルなことに
多分
愛だけを信じています。

書:坂本パルコ

春秋蜜柑

発行日:2021年5月8日
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