心の中で考える愉しいこと
居酒屋の前でまだ帰らない学生たち、
ゆっくりと帰路に就く夏の女子高生、
後ろでに手をつなぐ幼児と若い父親、
男と女が歩いている、鼻を突き出すようにして
風の匂いを嗅ぎ、嬉しそうに、というのは
こちらの推測でしかないが、ホントウに嬉しそうに歩く。
ハッピイというものを形にすると、こういう匂いになるらしい。
夏の日の朝の匂い。アイスを取りに冷凍庫を開けた匂い。
よく乾いた洗濯物の匂い。何故か、踊りだしたくなるような。
16時に浴室から出る、電気の点いていないキッチンに
眩しい西日が入り込んで
なんだかよくわからなく嬉しい。
匂いは、形ではない。
匂いは、閉じ込めることが出来ない。
匂いがしないものなど、信用出来ない。
明日
死んじゃうかもしれない。
だから
今ここでこうしている。
今を
こうしている
まだまだ、
こうしている。
ホントーにうれしい。
しあわせ。
書:坂本パルコ