白い花と冒険
物語を書いている
まるで
それだけが彼女を救ってくれるかのように
救う、という言葉は正しくないかもしれない
彼女はそんなことすら意識していないのだったから。
誰であろうと
意識することなく何かに救いを求めている
けれど他にするともなく、ただ、
何かに救いを求め続けるのだとしたら
いつか疲れ切ってしまう
救いなど、自らの中にしかない
外部からもたらされたものなど
いつか消え去ってしまう
いつもそばにいる幸せは
ある意味そんなもので
ある意味ひとりぼっちなものなんだ
足早に過ぎ去ってゆく、
私とあなたの間の唯一の静止画像
それは
闇だったか
光だったか
移ろう世界の唯一の静止点。
書:坂本パルコ