空がつながっているときいたから
月曜日はまぶしい
北北西の遥かかなたにも、こことおなじように街というものがあって
その街には海があると言う
坂本パルコは本当にそこで暮らしていて、きのうはスパゲッティを6束茹でたと言う
火曜日はとおい
「春秋蜜柑を作ってくれてありがとう」と伝える
「そんなこと言わなくていいのにー」と返ってくる
なんとなく手紙を送ってみたりする
もし坂本パルコがいるならば、あの街できっと受け取る
水曜日はさみしい
蜜柑のかぞえうたを公開したくないと、わたしは言った
そういう話を聞いているとき、
坂本パルコはどんな風にわらっているのだろうか
木曜日は愛しい
空がつながってるときいたから、それを疑わなくなった
すると世界のだいたいが、愛しくおもえる瞬間がある
金曜日はめんどう
神さまから坂本パルコをレンタルして、30日が過ぎた
こちらは雨が降っていて、返しに行くのがめんどうになってきた
人だから、わたしは神にも逆らう
土曜日はむずかしい
毎週、春秋蜜柑の更新をする
7日間で詩を書いたりするのは、わたしにはとてもむずかしい
日曜日はうれしい
坂本パルコがかわいいTシャツを着ている写真をみたので、かわいいと伝えると
つぎの日には同じTシャツが届く
坂本パルコにはそんな仕組みがある
届いたTシャツは黒いのに、坂本パルコが着ていたTシャツは白かった
わたしたちを隔てているものがあるから
NIIGATAからCHIBAに来るあいだにTシャツの色が変わった
そんなことをおもった
空がつながっているときいたから、きっとどこかに本当にあの街があって、
坂本パルコが暮らしている
書:武田地球